- クーラーボックスって何時間ぐらい効果があるの?
- ソフトクーラーボックスとハードクーラーボックスだとどのぐらい保冷時間が違う?
- 種類によって保冷時間はどのくらい違うの?
キャンプや釣りなどのアウトドアに必須のクーラーボックス。
種類も豊富で保冷時間も短いものから長いものまで様々です。
用途によって必要となる保冷時間は変わるため、保冷時間が何時間あるのかを把握しておかないと、食べ物や飲み物をダメにしてしまう可能性もあります。
今回は、クーラーボックスは何時間保冷効果があるのか、また保冷時間を延ばす方法などを解説していきます。
- ソフトクーラーボックスとハードクーラーボックスの保冷時間の違い
- 素材ごとの保冷時間
- 保冷効果を持続させる方法
クーラーボックスの種類
・ソフトクーラーボックス
・ハードクーラーボックス
素材ごとの保冷時間を解説する前に、クーラーボックスは大きく分けて2つに分けることができます。
それぞれの特徴は次のとおりです。
ソフトクーラーボックス
柔らかい素材でできたクーラーボックスです。
一般的には保冷バッグと呼ばれていますね。
ハードクーラーボックスと比べると保冷時間は短いですが、比較的小さく、持ち運びに便利です。
また、リュックのような形状になっているものもあり、サブのクーラーボックスとして利用されることも多く、デイキャンプやピクニックに向いています。
柔らかい素材でできているので、コンパクトに収納できます。
詰め込みすぎると型崩れして、運びづらくなるよ。
ハードクーラーボックス
キャンプや釣りでよく使われているタイプの硬い素材でできたクーラーボックスです。
ソフトクーラーボックスと比べると保冷時間は長いですが、比較的大きく、ソフトクーラーボックスに比べると持ち運びは大変です。
型崩れが起きる心配もなく、水栓もあるので、氷をそのまま入れられます。
キャンプや大人数でのバーベキュー、釣りなどに向いています。
ソフトクーラーボックスの保冷時間
どのくらい保冷時間が持つかは、クーラーボックスのサイズや保冷材の量、クーラーボックスに入れるものの種類や温度、外気温などによって変わるので、あくまで目安です。
ソフトクーラーボックスは、比較的小さく、収納性や持ち運びを重視しているため、使用されている断熱材が少なく、ハードクーラーボックスと比べると保冷時間は短いです。
半日や1日で終わるようなイベントが主な用途になります。
素材ごとに記載しているソフトクーラーボックスの保冷時間の目安は、気温32度の場所にクーラーボックスの容量の5%の氷を入れた場合のものになります。
参考:mybest - おすすめ情報サービス
アルミニウム
保冷時間の目安:10~14時間
最も手軽で目にすることの多い保冷バッグです。
アルミニウムには放射熱を9割以上反射する特徴があるので、この反射を利用して、太陽や外気の熱によるクーラーボックス内の温度の上昇を防いでいます。
放射熱(輻射熱)とは、ある物から放出されるエネルギーがほかの物にあたることで発生する熱エネルギーのこと。例:太陽、オーブン
EVA
保冷時間の目安:11~15時間
EVAは、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のことで、ポリエチレンの仲間です。
サンダルなどによくつかわれている素材です。
EVAの特徴は、ポリエチレンよりも柔軟性と弾力性がある点です。
その分、純粋なポチエチレンの断熱材よりも断熱性能は若干劣ります。
ポリエチレン
保冷時間の目安:12~16時間
ポリエチレンは、他と比べて安価な素材です。
ポチエチレンを発泡させたポリエチレンフォームが断熱材として使われています。
比較的丈夫であることや安価なことから、コスト面に優れています。
ポリウレタン
保冷時間の目安:15~19時間
ポリウレタンは断熱性に優れた素材です。
ポリウレタンを発泡させた発泡ウレタン、ウレタンフォームなどが断熱材として使われています。
断熱性が高い理由は、気泡の一つひとつに熱伝導率が小さいフロンなどのガスを閉じ込めているからです。
ソフトクーラーボックスの素材としては、断熱性に最も優れています。
その分、価格は他の素材よりも高いです。
ハードクーラーボックスの保冷時間
ハードクーラーボックスは、保冷できる量と保冷時間を重視した設計になっているため、ソフトクーラーボックスよりも保冷時間が長いです。
ソフトクーラーボックスよりも容量が必要になる場合や1日以上のイベントが主な用途になります。
素材ごとに記載している保冷時間の目安は、気温40度の場所に、クーラーボックスの容量の25%の氷を入れた場合のDAIWAライトトランクαの性能です。
発泡スチロール
保冷時間の目安:66~76時間
用途:運動会などの1日限定のイベント
発泡スチロールは、他の素材よりも保冷効果は劣りますが、圧倒的に安いのが魅力です。
特徴は、とても軽いことと耐久性が低いことです。
軽さの理由は、ポリエチレンやポリウレタンに比べ気泡の量が多く、気泡内に含まれる気体が多いためです。
気体は固体や液体に比べて熱伝導性が小さいので、素材に含まれる気体が多いほど保冷能力が高くなります。
一方で、含まれる気体が多いほど、崩れやすく耐久性は低くなります。
ポリウレタン
保冷時間の目安:82~96時間
用途:1泊するようなイベントや釣り
ポリウレタンはソフトクーラーボックスにも使われている素材です。
厚みが増すほど気泡内に含まれる熱伝導性の小さいガスの量も増えるため、保冷力が高くなります。
ソフトクーラーボックスに比べて、ハードクーラーボックスに使われるポリウレタンの量は多いため、保冷能力も大幅に向上しています。
真空断熱パネル
保冷時間の目安:88~126時間
用途:数泊するようなイベントや釣り
真空断熱パネルは、クーラーボックスに使われている断熱材の中で最も保冷能力が高い素材です。
断熱材の周囲を真空状態にすることで、気体による熱伝導をほぼゼロにしています。
他の素材よりも重量が重く、値段が高いという点がネックですが、保冷力が判断基準であれば真空断熱パネルを選んでおけば間違いありません。
おすすめのクーラーボックスについては、釣りにおすすめのクーラーボックス7選で紹介しているので、合わせてチェックしてみてください。コスパ比較もあります。
冷凍食品の保冷時間
冷凍食品を凍ったまま保存できる時間は2時間~3時間です。
もちろんクーラーボックスの種類、冷凍食品の量、冷凍食品の種類によっても保冷できる時間は変動します。
クーラーボックスは、内容物の冷気を外に逃さないように外との熱を遮断するものですが、内容物自体が少なければ、クーラーボックス内の空気に冷気を奪われて温度はすぐに下がってしまいます。
冷凍食品は、袋と食材の間に空気の層があったり、袋の中で小分けになっていたりと、大きい氷の塊などに比べると冷凍物自体の総量が少ないため、クーラーボックス内の空気や冷凍食品の袋の中の空気に冷気を奪われやすくなってしまいます。
このため、氷自体を入れたときの冷凍時間とを比べると、保冷時間は大幅に短くなってしまいます。
じゃあ、どうすればいいのか。
次に、保冷時間を延ばす方法をみてみましょう。
保冷時間を延ばす方法
保冷効果の高いクーラーボックスを選ぼうとすると、どうしても高い値段の商品になってしまいます。
そこで、ある程度の保冷力のクーラーボックスでも保冷効果を十分に発揮するための方法を解説します。
開け閉めの回数を減らす
これは保冷時間を延ばすのに最も効果のある方法です。
ふたの開け閉めをすると、クーラーボックス内の冷たい空気が外に流れ、外の暖かい空気がクーラーボックス内に入ってきます。
当然、ボックス内の温度は上がってしまうので、保冷効果が下がってしまいます。
クーラーボックスの開け閉めは必要最低限にとどめ、開けるときも全開にせずに素早くものの出し入れをすることで、保冷時間を延ばすことができます。
感覚的には、開け閉め1回で保冷時間が1時間ぐらい短くなるよ!
クーラーボックス自体を冷やす
常温のクーラーボックスに保冷剤をいれた場合、クーラーボックス自体に温度が奪われてしまい保冷時間が短くなってしまいます。
クーラーボックス自体を冷やしておけば、クーラーボックス自体に温度を奪われることなく、保冷剤とクーラーボックスが相互に冷却し合うことで保冷時間がぐっと伸びます。
当日使用する保冷剤とは別に保冷剤や氷を準備して事前にクーラーボックスを冷やしておきましょう。
クーラーボックスに入れるものを冷やしておく
意味合いとしては、クーラーボックス自体を冷やしておくことと同じです。
常温のものを入れると、入れたものに温度が奪われてしまいますが、入れるもの自体を冷やしておけば、温度を奪われないだけでなく、入れたものと保冷剤が相互に冷却しあうことになり保冷時間が伸びます。
氷は大きい塊を使用する
ブロックになっている氷と普通の冷蔵庫で作るような氷を比較すると、冷蔵庫で作るような小さい氷のほうが表面積が広くなるので、そのぶん熱を奪われやすく溶けるスピードが早くなってしまいます。
このため、氷を保冷剤として使用する場合は、ブロックのような大きい氷を使うほうが保冷効果が長持ちします。
プラスチックの容器に9割ほど水を入れて凍らせれば簡単に大きい氷をつくることができます。
僕も釣りの時には毎回氷ブロックを作ってるよ。
保冷剤は物の上や横にいれる
冷たい空気は下に流れるので、できるだけクーラーボックス内の上に入れるようにしてください。
冷たい空気は下にたまりますが、新たに流れてくる冷たい空気によって、クーラーボックス内で冷気が循環し、保冷効果が高まります。
保冷剤を一番下に置いておくと、下のものしか保冷することができません。
上に置くことが難しい場合は、保冷剤を縦に入れるなどしてできるだけ高い位置に保冷剤を配置するといいです。
二重にする
クーラーボックスの中に小さめのクーラーバッグを入れたり、クーラーボックスに入れる物自体を断熱性のあるアルミなどで包むことで保冷効果が高まります。
断熱性の素材は、厚さ増すほど保冷効果が高まるので、断熱材を二重にすることで保冷能力を高めています。
二重にできなくても、クーラーボックスに入れたものの上にアルミシートをのせておくだけでも、開け閉めした時の冷気のもれを少なくすることが出来ます。
まとめ
クーラーボックスといっても、保冷能力は素材によって大きく違います。
日をまたぐようなレジャーに保冷時間の短いクーラーボックスを使用してしまうと、飲料や食料がだめになり食中毒になるような可能性もあります。
用途に合わせて適当な保冷時間のクーラーボックスを選ぶようにしましょう。